私の小説にはタワーマンションがよく出てきます。
というのも、タワーマンションが乱立していた街に住んでいたからです。
ちなみに、私は7階建てのマンションに住んでいました。
で、なぜ私が「タワーマンション」を舞台に選ぶかというと、タワーマンションという装置は、そのまま人間の欲望と煩悩と見栄を表しているように感じるからです。だから、自然と「ドロドロ」な人間関係が形成される。……私の書く小説にはもってこいの舞台なのです。
さて。今、「マンション格差」という本を読んでいるのですが。
その本の「タワーマンションの『階数ヒエラルキー』」という章が、とにかく面白いのです。著者が、タワーマンションのコピーを依頼されたときに、業者から渡された資料には「タワーマンションに住みたがるのは、基本的に見栄っ張り」と書かれていたそうです。つまり、「見栄っ張りの心に響くようなコピーを考えてほしい」というわけです。
私もどちらかというと見栄っ張りなほうですから、一度、タワーマンションの高層階に住んでみたことがあります、賃貸ですが。
ですが、一年ももたなかった。何しろ、騒音問題がね……。壁が薄んいですよ。そのほかにも色々と問題があり、「タワーマンション幻想」もあっけなく散りました。で、今は低層の集合住宅を住まいとしています。
いずれにしても、「タワーマンション」を選ぶ人の中には、「見栄っ張り」がかなり混じっていると想像します。だから、他人が「何階に住んでいるのか」が気になり、ついでに所得まで試算し、挙句、ランク付けまでしてしまうんじゃないでしょうか。世にいう、「階数ヒエラルキー」。
暴論かしら。
タワーマンションに住んでいる方がいましたら、ごめんなさいm(_ _)m