最近、よくテレビで特集されるのが、「多頭飼育崩壊」。
特に、猫。
はじめは一匹、または二匹だったのが、それこそねずみ算式にどんどん繁殖し、たった数年で数十匹になるという。
その原因を色々と紹介していましたが、一番の原因は「経済的に余裕がない」に尽きるんじゃないかと。
経済的に余裕がないから避妊、去勢手術を先送りし、ついには大繁殖、家も家計も破綻するという悲劇。
それこそ私が若い頃は、貧乏学生ほど子猫を拾って育てていました。
昔は放し飼いが普通だったので、自分が育てられなくなってもそのまま放置していれば、他の誰かが育ててくれたものでした。(田舎では。都会の事情はよく分かりません)
猫もその辺をちゃんと理解していて、飼い主を数人キープしていたものです。
が、現代。
家の中だけで飼うのが当たり前となった今、一度猫を飼ったからには、最後まで面倒を見なくてはなりません。
「いや、そんなの当たり前でしょう?」と思われる方もいるでしょう。
が、これが案外、難しいんじゃないかと。
マリモさんと暮らしはじめて分かったことは、「ペットを飼うということは、お金と時間が想像以上に必要だ」ということです。
今、私はおかげさまで、金銭的には余裕があります。時間も自分の都合で自由に使えます。ですから、マリモさんの避妊手術も、健康診断も、特に悩むことなく実施しています。
何か病気になって手術しなくてはならない……となっても、迷わず手術させるでしょう。それがたとえ、数十万かかったとしても。
ところが、これが、貧乏学生だったとしたら?
避妊に三万円と聞いてまず狼狽えるでしょう。病気になっても、もしかしたらお医者さんにかかることができないかもしれません。お医者さんにかかったとして、「治療に数十万円かかります」と言われたら?
……考えただけで、辛いです。
今は、一応、「ペット保険」もありますが、その掛け金が、まず、高いですから。金銭的に余裕がない人は、加入を諦めざるを得ないでしょう。
……つまり、何が言いたいかというと。
たった一匹でも、猫(または犬)を飼うということの、経済的負担。
人間同士でもいえるのですが、愛情と経済は切っても切れない関係にあるのです。
人間だって、その愛が破綻する原因のほとんどは、「お金」ですから。
そして、衝動的な「きゃーかわわい」や「かわいそう……」で、ペットを飼うことの恐ろしさ。
……という私も、マリモさんとの出会いは「衝動的」なものでしたが。
でも、「お金と時間に余裕がある今」だからこその「衝動」であったとは思います。
今までも、ペットを飼いたい衝動が幾度となく駆け抜けましたが、そのときは、お金も時間も自由ではありませんでした。だから、その衝動を鎮めるため、妄想の中でペットを飼っていました。エアペット。
そんな修行を乗り越えての、マリモさんとの出会いです。
この縁を大切にしたいです。
追記。
BSプレミアムの「アナザーストーリー」内で、懐かしいCMが流れました。
サントリートリスのCM。
このCMを見るたびに泣いていた高校生の私です。
ちなみに、CMに登場する子犬は保健所で殺傷処分される予定だったんだそうです。
CM出演後、サントリーの関係者に引き取られ天寿を全うしたとのこと。
よかったです……と簡単に言っていいのかどうか。
この子は奇跡的に助かりましたが、そのかげで……。