以前、BSプレミアムで、「なかにし礼」さんの特集がありました。
私が「ああ、この歌好きだな…」と思うものは、たいがいなかにし礼さんが作詞で、ザ・タイガースの「美しき愛の掟」とか岩崎良美の「あなた色のマノン」とかレイジーの「地獄の天使」とか、ほんとに枚挙にいとまがございません。
特に弘田三枝子の「人形の家」は、カラオケに行ったら必ず歌います。
その「人形の家」。
なんと、男女の恋を歌ったものではなくて、国の政策で満州にいったはいいが戦後「帰ってくるな」と国に捨てられた棄民たちの心情を歌った歌なんだとか。
なかにし礼さんは、満州生まれ。戦後、帰国するまでには相当の苦労をなさった。蜘蛛の糸を掴むように日本を目指したものの、国は「移民は戻るべからず」の姿勢。そのときに感じた悲しみと絶望を「人形の家」に込めたんだそうです。
で、今日。同じくBSプレミアムで喜納昌吉&チャンプルーズの「ハイサイおじさん」が取り上げられていました。この底抜けに陽気な歌は、誰でも一度は聞いたことがあると思います。
作詞作曲の喜納昌吉さん曰く、「ハイサイおじさん」の歌詞は実話に基づいているとのこと。その実話というのが…。
あまりにあまりな事件で、「えええええ!」と夜中に絶叫してしまいました。
そんな陰惨な事件を、あんな明るい曲に変換してしまうなんて…。
実話をここまで変換してしまう天才クリエイターたちの表現力に脱帽するしかありません。