「俺はこんなに悪かった」という武勇伝や不良エピソードが美化され、
そして、嗜みだった時代が長くありました。
たぶん、芸能界なんかでは、つい最近まであったような。
特にサブカル界隈なんかでは、「悪趣味」とか「暴力」とか「非常識」を盛り盛りに盛ってこそ……という価値観があり、私はそういう価値観についてけず、映画の道を断念しました。
そんな時代に発表されたのが、今話題のインタビュー。
ロッキンオンと太田出版ですよ。
世の中の良識とか常識にくってかかっていた、アンチモラル的な立場の版元です。
私の妄想では、実際のインタビュー内容の酷さを、さらに酷く盛って、おもしろおかしく掲載したんじゃないかと。
今回の件、確か、20年ぐらい前から某匿名掲示板なんかでは執拗に叩かれていて、
(ほぼ集団リンチ)
いじめ加害者であるご本人も、だいぶ反省したんじゃないかと推測します。
若気の至りとはいえ、あまりにその代償は大きい……と。
で、今回、また蒸し返されてしまったわけですが、ここまで集団で叩きのめすのはいかがなものかと。
一度失敗した人は、一生、表舞台に立つな……ということなのでしょうか?
悪人正機説ではありませんが、悪いことをしてしまった人にこそ、悟りのチャンスは訪れるんじゃないかな……と。
でなきゃ、芸術や文学の意味はありません。
芸術や文学は、善と悪のせめぎあいから生まれるものだと思っていますので、
善ばかりが叫ばれる今の時代のほうが、芸術的にも文学的にも、不毛な時代のように思えます。
今回問題になった方が、過去行った悪行はあまりに胸糞悪く、私的にも許せないことではありますが、
加害者の方が、「悪い心」と闘った末になにを得たのか。
それを拝見してからでも遅くはないと思うのです、石を投げるのは。