うーん。確かに、今の価値観だと「外道」だけど。
でも、当時は「麻薬」という感覚ではなくて、エナジードリンク(強壮剤)やサプリメントや煙草や眠気覚ましのガムやコーヒーのような感覚だったはず。むしろ、「よかれ」と思って与えていたいたんだと思います(軍部が覚醒剤を使用していたのはなにも隠されていた事実でもなんでもなくて、むしろよく知られた事実なんだけどなぁ)
市販されていた覚醒剤というと「ヒロポン」が有名ですが、疲労や倦怠感、眠気を覚ます薬として広く愛用されていました。軍隊はもちろん、一般労働者も芸術家もサラリーマンも主婦も愛用していました。エナジードリンクやビタミン剤やコーヒーを飲むように。
サザエさんでも出てきますね。イササカ先生が愛用していたヒロポンを、ワカメちゃんたちが飲んでらりってしまうというお話。
当時の価値観を無視し、現在の価値観だけを当てはめて芸術や偉人を否定するというキャンセルカルチャー的な流れがここ最近凄まじいのですが、麻薬もまたしかり。
麻薬を愛用していた偉人は数知れず。架空の人物ですが、シャーロック・ホームズも極度の薬物依存症でした。
「ホームズは薬中だから、けしからん。ホームズ関連の本や作品はすべて焼いてしまおう」というような運動が、もしかしたら近い将来起こるかもしれません。
現在の価値観だって、絶対的普遍とは言い切れません。もしかしたら、将来、「え、信じられない。21世紀の人たちって外道すぎる」と、今の文化や芸術や習慣やモラルが全否定されるかもしれません。
戦時中に行われていた数々の行為。
確かに許されないことばかりですが、だからといって、すてべ現在の価値観だけで断罪するのはちょっと危険なこと。
その断罪の刃は、いつか、自分たちの文明にも返ってきます。