真梨幸子mariyukiko’s blog

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バッド・インフルエンサー

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たまたまテレビで流れていたので見はじめたら、がっぷりとはまりこんでしまいました。

 

簡単にいえば、詐欺師ベル・ギブソンのドキュメンタリーです。

「自然な食事(ウェルネス)で、ガンを克服しました」とSNSで発信。たちまちのうちに話題になり、本を出したり、Appleからアプリを出したり。

一年もしないうちに、カリスマインフルエンサーに。

が、それは全て嘘だった。ガンであることも、そのプロフィールも。

彼女の言葉を信じ、ガン治療をやめて食事制限(代替治療)をはじめてしまったせいで、命を落とすことになったガン患者が多数発生。

かなり罪深い、詐欺師です。

でも、どうやら、本人は自分が嘘をついているという自覚はないらしく、ガンになったのも自分の(妄想の)の中では真実で、そのガンが、食事療法で完治したとも信じている(もちろん妄想)。

……詐欺師というより、生粋の虚言癖さんです。精神疾患が疑われています。

じゃ、彼女はなにものなのか?というと、12歳のときに家出して、仲間たちの家を転々とし、10代で子供を出産……という、絵に描いたような不良少女でした。不良仲間の人たちは、ベルの成功を見て、「あのこ、とんでもないことをやらかした」と震えたそうです。でも、「あの子の虚言癖は昔から。近寄ってはいけないタイプの人間」と、距離を置き続けたんだとか。だから、彼女の正体を知っていても、あえてそれを告発したりはしなかったようです。告発して、下手に縁が蘇ったら、なにをされるか分からない。ドキュメンタリーのインタビューも、絶対匿名が条件。……不良仲間たちをそれほどまでにビビらせるベル。

詐欺を働いていた(カリスマインフルエンサーだった)ときは、まだ二十代前半。年齢も詐称していますから、もしかしたら、十代だった可能性も。

そんな若年者に、あのAppleも騙されたわけです。

というか、天下のAppleも、身元調査、全然してないんですね……。

オリンピックの開会式の辞退騒動のとき、「なぜ身体検査しなかったんだ!これだから日本人は!」という非難が多く溢れましたが、どうやら、世界的に、身元調査ってあんまりやらないのかもしれません。

 

それにしても。

単独犯なんでしょうか?

たぶん、最初は単独犯。

虚言癖さんの定番、「私、病気なんです」で人の注目を引く。

(オカルト系の場合は、「私、霊が見えるんです!」)

でも、そういう人は、ネットにはたくさんいる。「病気」だけでは注目されない。ということで、「でも、完治しました!」というストーリーを付け加えたんだと思います。

完治した理由に「ウェルネス」を選んだのも、深い意味はなくて、なんとなく……だったのかもしれません。

が、この「ウェルネス」を選んだことで、彼女の周囲に、金の臭いがする大人たちがわらわらと寄ってきたんではないでしょうか。

私個人の意見としては、虚言癖ベル本人よりも、わらわらと近寄ってきた大人たちのほうがタチが悪いように見えます。

ベルを担ぎ上げて、相当稼いだようですので。

(なのに、嘘がバレた途端、とんずら。罪をベルにすべてなすりつけて)

 

さてさて。

現在のSNSでは、「アンチワクチン」を唱える人たちの勢いが凄まじい。

自称医者やら自称研究者やら自称ライターやら。

中には、「アンチワクチンを餌にすると👍の数が増えるから」という理由だけでアンチワクチン派を名乗っている人もいるかもしれません。

くれぐれも、おやめください。

あとで、とんだ代償を払うことになりますよ。