ヒロイン清原さんの演技は素晴らしい。
でも、残念ながら「おかえりモネ」は、朝ドラ向きではないな……と。
朝ドラは、朝の忙しい時間に流れます。だから、集中して見る……というより、「ながら見」が基本。それが理由か、これまでの朝ドラはナレーションが多く、登場人物の内面までナレーションが説明してくれました。
でも、「おかえりモネ」は細かい演技で心の内面を表現しようとしています。
なにより、全体のシナリオが丁寧すぎる(もっさりと進むので、どきどきワクワクが少ない)。そして、2014年から現在までと、その過程が短すぎる。
これ、深夜ドラマとか、映画ならよかったんじゃないかと。
朝ドラは、やはり、多少大袈裟でも波瀾万丈なヒロインの人生をみたいわけです。
ヒロインが多少未熟でも、シナリオのダイナミックさで見せられてしまう、それが朝ドラなんだな……と改めて。
その代表例が「澪つくし」。再放送でみたのですが、最初は「え、大丈夫か?」とハラハラのしっぱなし。でも、そのハラハラが癖になり、1話も逃すことなくみ続けてしまいました。
一方、「おかえりモネ」は、どこもかしこも、あまりに洗練されていて隙がない。1話1話が丁寧に作られているけれど、それが朝から重い。
朝食に豪華な懐石料理が出された感じ。
そこが、視聴率低迷の原因かな……と思っています。