仕事をしていたら「うとうと」がはじまり、いつのまにか座ったまま寝落ち。
とてもとても短い夢をみたんですけれど、それがなにか薄気味悪くて。
白いお蚕さんがたくさん入った箱。
その中の一匹が飛び出してきて、私にメンチを切ったのです。
その目は金色に輝いて……。
はっと目覚めた私。
たぶん、1分も寝ていない。
「いやー、気持ち悪かったな……」と二の腕をさすっていたら、ある言葉が浮かんできました。
「蠱毒」
そう、たくさんの毒虫をひとつのところに閉じ込めて、共食いをさせる。
生き残った一匹を「蠱毒」として、呪術の道具として使う。
でも、私が見たのは、白い虫。そう、お蚕さんです。
で、気になって調べてみたら、「金蚕蟲」というのがありまして。
最後に残った一匹が金色のお蚕さんに変態することがあり、それを「金蚕蟲」と呼ぶようです。
この「金蚕蟲」は蠱毒の中でも最強と呼ばれていて、莫大な権力と富を手に入れることができるんだとか。
その方法は残酷で、標的となった人物を殺害し、その者が持っていた富と権力を奪う……というものです。
昔の人は(今も?)、こぞってこの金蚕蟲を手に入れようとしました。
ところが、この金蚕蟲にはリスクもありまして。
とにかく大飯ぐらい。好物の錦を食べる食べる。
そして、人を殺すのが大好き。年に一人は殺す相手を見つけてこなくてはなりません。殺す相手がいなくなったら、飼い主の家族を差し出すしかない。それすらいなくなったら、飼い主自身が殺されます。
殺されたくなければ、金蚕蟲から解放されなくてはなりません。その方法はひとつ。
金蚕蟲によって手に入れた富と一緒に金蚕蟲を箱に入れて、道端に捨てます。
それを誰かが拾い家に持ち帰ったら、成功。
元の飼い主は金蚕蟲の呪いから解き放たれ、呪いは拾った人に移ります。
山の中に一億円が落ちていた!とかいうニュースがときどきあります。
「ラッキー!」と持ち帰るのはNG。それはもしかしたら、金蚕蟲かもしれません。
お金やお宝を拾ったら速やかに警察に通報して、できれば各種の権利は放棄したほうがいいかもしれません。そう、1割相当の報労金、そして落とし主が見つからなかったときに全額受け取れる権利。
その落とし物、金蚕蟲かもしれませんので。
それにしても、あの短い夢はなんだったんでしょうか。
金蚕蟲、身近で作っている人がいるのかな……