最近のタクシーの楽しみは、デジタルサイネージ。
備え付けのタブレットに流れるCMです。
なんやかんや言いながら、面白いんですよね……。つい、見ちゃう。
で、本日タクシーに乗っていましたら、
「あなたの職場をペーパーレス化する!」的なCMが流れていました。
なにやら、既視感。
30年前、私がまだいたいけなOLだった頃も「ペーパーレス化」が叫ばれていたな、そういえば。
そして、令和4年。2022年も終わろうとしているのに、まだ「ペーパーレス化」を訴求しているということは、ペーパーレス化社会は実現していないってことですよね。
日本の生産性は、先進国の中では最下位ですが、ペーパーレス化が実現していないことが関係していそうな気がします。
なんだって、あんなに「紙」でのやりとりが好きなのか、日本人。
私は、ここでも度々言及していますが、完全ペーパーレス小説家です。
たぶん、業界でただ一人(各担当さんがそうおっしゃるので、たぶん、そうなんだと思います)
※漫画なんかでは、完全デジタル化が進んでいるようなので、やりとりもペーパーレスかもしれませんが。
そう、紙ゲラのやりとりを一切していません。
じゃ、どうやってゲラをチェックしているのか?
それは、「PDF」です。
こんな感じです。
(「さっちゃんは、なぜ死んだのか」小説現代掲載の初校)
完全PDFにして彼此10年ぐらい経つのですが、いまだに、(小説)業界でただひとり。
短編や短い記事などはPDFでやりとりする方も増えているようですが、長編となると、私以外にはいないらしいのです。
PDFでのやりとり、便利すぎて一度やったらやめられないんだけどな……。
一番のメリットは、受け渡しの手間と時間が発生しないこと。
紙ゲラでやりとりしていたときは、宅配便を待つ時間が長すぎてもやもやしましたし、こちらから発送するときも、時間との戦いでした。
そんなやりとりに、二、三日、とられてしまうんです。
二、三日あれば、もっとじっくりチェックしたいですよね。
PDFなら、受け取る時も返す時も、メール。無駄に待つことも時間に追われることもありません。締め切りのギリギリまでチェックできる。
なにより、輸送料金が発生しない。バイク便なんか使ったら、それこそ1万とか2万とかかかっちゃうますもんね。
でも、PDFの一番のメリットは、ペーパーレスなところです。
部屋が紙に埋め尽くされることがないのです。
ストレスからも解放されます。
時間も最大限有効に使えるし、発送するときの手間(梱包したり伝票を書いたり業者さんを呼んだり)も省けるし、結果、生産性も上がります。
ありがたいことに、現在、連載ふたつと、単行本と文庫本のゲラチェックを常に抱える身ですが、それができるのも、PDFでやりとりしているから。
もし、紙ゲラのままだったら、パンクして、メンタル壊していただろうな……。
とにもかくにも。
出版業界に限らず、「なんで、令和にもなって、昭和的な非効率がまだ残っているんだろう?」ということはあの会社にもこの会社にもあると思います。
派遣でいろんな業種を見てきましたが、どこもかしこも、無駄だらけ。
派遣の分際で、「こうしたほうが効率的ですよ」と、何度か提案したことがあります。
だって、残業なんてしたくないもの!
日本に残業とメンタルの病気と過労死が多いのは、無駄な作業を排除できない体質にあるからだと思います。だから、生産性も悪くなる。
まずは、ペーパーレス化。30年の悲願を、この令和で実現させましょう!
あ、ペーパーレスといえば。
先日、ある取引先の版元から「マイナンバーの提出のお願い」の書類が届きました。
「うわー、また、これか……。これ、面倒臭いんだよな……」と辟易していましたら、なんと、ネットで提出できるという。マイナンバーカードか個人番号通知書を所定の用紙の上に置き、写メするだけ。すると特定のサイトが開き、書類に書かれたIDとパスワードでログイン。写メしたものをアップすれば、それで完了。
こちらの版元の系列は、確か、契約書もウェブだったはず。
出版業界も、着々とペーパーレス化が進んでいるようです。
他の版元さんも頑張れ!