厚生労働省の玄関前にある、碑。
命の尊さを心に刻みサリドマイド、スモンHIV感染のような医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないよう医薬品の安全性・有効性の確保に最善の努力を重ねていくことをここに銘記する
千数百名もの感染被害者を出した「薬害エイズ」事件
このような事件の発生を反省しこの碑を建立した
現在、薬害エイズについて改めて調べているんですが、まぁ、酷い。
癒着、忖度、権威主義、学会の腐敗。
薬害エイズの主要人物、学会のドンが、こんな発言をしています。
「私は一人(エイズで)殺しているんです」
「私は毎日、(非加熱血液製剤には)毒が入っていると思いながら注射している」
「今も次から次に毎日注射している。明日にも(HIV感染者が)出るかもしれない」
薬害エイズ事件とは、
エイズを引き起こすウイルスが混入した血液製剤(非加熱)を使用したことにより、多くの人が肝炎やエイズに感染してしまった事件。
血液製剤は血友病患者に使用されるのですが、これにより多くの血友病患者がエイズに感染して死亡してしまいました。
その製剤が「毒」であると知りながら、使用しなくてはならなかった理由のひとつに、「キックバック」があります。
血友病の治療として使われる製剤に、クリオ製剤というのも存在するんだそうです。非加熱の血液製剤があまりに危険なので、クリオ製剤に切り替えた方がいいという医師や学者もいたようなのですが、それは、学会のドンが握り潰しました。
その理由として、
クリオ製剤は通常100単位ずつ投与し、その薬価は7000円だった。これに対し非加熱製剤は通常500単位ずつ投与し、その薬価は45000円だった。クリオ製剤は国産で値引きがないため、病院側に経済的なメリットが殆どなかったのに比べ、非加熱製剤は50%から60%の値引きが常態化し、病院側には、1本投与する毎に、25000円から27000円の薬価差が利益となった。患者一人は、朝晩2回500単位ずつ、計1000単位ずつ投与されるとひと月で270万円の治療費となる。病院側が受け取る薬価差は、50%引きとして、毎月135万円であった。こうした薬価差益が、安全なクリオ製剤への転換を阻んだとの指摘である[16]。
また、他の学者からは、こんな証言も。
非加熱製剤の投与を止めて、より安全なクリオ製剤に替えるべきだと思ったが、自分の学者としての将来を心配して、安部先生に勇気を持って進言することができなかった。・・・・・・安部先生の意に逆らったことをやれば、仲間はずれにされ、医師として学会でやっていけなくなるという漠然とした不安があった。当時から、非加熱製剤の使用を続けるのは誤りだと思っていた。・・・・・・私にも責任はあるが、クリオ製剤への転換という治療方針の変更は、安部先生の指示なしにはできず、先生の責任は大きい。
ちなみに、この学会のドン、はじめは非加熱の血液製剤はただちに中止したほうがいいと主張していたようなんです。
ところがいろんな圧力に屈して、使用を続けることを決めました。そう、ダークサイドに堕ちてしまったんです。
いったい、どんな圧力があったんでしょうね……。
この事件は連日報道されていたのでよく覚えているんですが、ワタシが病院嫌いになった理由のひとつ。
毒だと知りながら、それでもそれを患者に投与するんだ!と、不信感がマックスに。
そりゃ、確かに、薬と毒は表裏一体。同じものでも、薬になれば毒にもなる。
が、エイズウィルスが混入した製剤は、毒でしかない。
この事件をきっかけに、冒頭に紹介した碑が建てられたようなんですが。
この事件の教訓は、生かされているでしょうか?