真梨幸子mariyukiko’s blog

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第二の森鴎外は、誰か?

(以前、ブログに書いた記事を引用します)

 

森鴎外は、一般的に「文学者」と知られていますが、本業は医者。それもかなり地位の高いお医者様。なにしろ、東大医学部卒の陸軍軍医トップ様です。

そんな森鴎外は大変なことをしでかします。

日露戦争で、約3万人の陸軍兵を殺してしまったのです! 敵側の兵士ではなく、日本の兵士を。日露戦争戦没者は約8万8000人。そのうちの3万人が、森鴎外の失策のせいで死んでしまったのです。

3万人が亡くなった原因は「脚気」。

脚気は当時、謎の病でした。そして、日本の軍隊で蔓延していました。

ドイツでは「伝染病説」が唱えられます。ドイツ大好きな森鴎外は、この説をとり、

脚気は伝染病だ」と断言。

一方、海軍の軍医高木兼寛(鹿児島医学校出身)は、経験から「食べ物」に注目。栄養的なものが原因ではないのか?という仮定のもと、兵食に肉(カレー)や麦飯を取り入れました。※言わずと知れた「海軍カレー」のことです。

その結果、海軍の脚気はゼロに。

海軍は、食事を変えることで、脚気撲滅に成功したのです。

 

が、陸軍はそれを認めない。

「タマタマだ」「倫理的に説明せよ」「地方の医学部出身の軍医のくせに」と、徹底的に非難にするのみ。

食事を変えたことで脚気がゼロになった……という立派な症例があるというのに、それを認めないのです。

それは、軍医トップの森鴎外が「脚気は伝染病または中毒」と譲らなかったからです。東大医学部出身の森鴎外が言うのだから、間違いないと。

今となれば、脚気の原因は糠や麦や肉に含まれる「ビタミンB1」の欠乏だと知られていますが、当時は「ビダミン」すら知られていませんでした。だから、その因果関係を倫理的に説明することはできない。でも、食事と関係していることは結果が証明している。

が、組織のお偉様は「因果関係を示せ」「倫理的に説明しろ」と。

 

そうこうしているうちに、日露戦争がはじまります。海軍はカレーと麦飯で脚気は相変わらずゼロでしたが、陸軍は脚気で兵士がバタバタ死んでいく。

陸軍の中にも、「麦飯を支給してはどうか?」という声も上がったのですが、森鴎外はそれを頑として認めません。東大卒というプライドからなのか、ドイツという権威から離れられなかったからなのか、地方医学部出身の高木の説を、森鴎外はどうしも受け入れることができなかったのです。「脚気は伝染病説」に固執

そして、副食なしで「白米」(糠を取り除いた)のみ支給しました。

結果、約3万人が、脚気で死んでいったのです。

 

 

ところで、高木兼寛が達成した脚気撲滅の論文は、外国で高い評価を受けました。それは未知の「栄養」の存在に気づかせてくれるもので、「ビタミン」の発見につながっていくのです。

ちなみに、「ビタミン」の概念を世界で最初に提唱したのは、日本人の鈴木梅太郎す。が、彼は「東大」出身ではありましたが農学部出身で、医学者ではなく農学者でした。医学会はざわつきます。

「医者でもないやつは引っ込んでろ」「素人の戯言だ」と、散々にバカにされ、「インチキ」のレッテルまで貼られて排除されてしまいます。

そのせいで、世界で最初にビタミン発見……という栄誉を逃してしまいます。

その影には、またもや森鴎外

森鴎外が、どうしても認めなかったのです。「ビタミン」という概念を。

そして、相変わらず脚気は「伝染病」として譲らなかった。

頑固な森鴎外のせいで、陸軍ではその後も脚気で軍人がどんどん死んでいきました。

陸軍で、麦飯がようやく支給されるようになったのは、森鴎外が軍医をやめたあとだそうです。その期間三十年。その間、いったいどれだけの人が死んでいったのか……。

 

論理にこだわりすぎて、学術的権威にこだわりすぎて、学閥にこだわりすぎて、プライドにこだわりすぎて、大切ななにかを失念する。

 

いかがですか?

なんか、今の新型コロナワクチン騒動に似たところ、ありませんか?

現在、SNSでは、学者、医者、専門家の間で、熾烈なバトルが繰り広げられています。

ワクチン推奨派と、ワクチン懐疑派。

ワタシは当初、前者でしたが、今は後者です。

それでも、なるべく公平な目で見ようと、どちらの意見も追っています。

ですが、ここに来て、前者の方々がおかしなことになっています。ヒステリックになっているというか。

そう、森鴎外になりつつあるのです。

 

 

ところで。

先日、なんとも悲劇的な事例を目撃することに。

突然体調を崩し、緊急搬送までされた人がいます。で、ある病気が発症したことがわかります(ワクチン後遺症の典型例)。

例のアレを接種した直後なので、ワタシはそれを疑いました。

ですが、当の本人はまったく疑っておらず、

「持病が発生してしまった。例のアレ、どんどん打たなくちゃ。だってコロナ怖い」と、何度目かの例のアレを接種してしまったのです!

 

そもそもです。

ワタシの記憶では、当初、「持病がある人は接種は控えたほうがいい」という見解でした。血栓や心筋炎や心不全の可能性があるから。だから、高血圧のワタシは接種しませんでした。

ところが、いつのまにか、「持病がある人は必ず接種」ということに。

は?

いったい、なにが起きているの?

これはもしかして、森鴎外症候群か?

 

歴史は繰り返す。

温故知新。

 

現在起きている事象は、過去にも似たようなことが起きています。

それを掘り起こして、対策を練る。

それこそが、本来の賢い姿なのですが。

だからこその、「ホモ・サピエンス(賢い人)」なのですが。

だがしかし。賢さは、「体面」や「しがらみ」や「プライド」の前では無力なのかもしれません。