BSPで放送された、令和版「犬神家の一族」。
正直、「やっぱり、昭和版「犬神家の一族」は超えられなかったか……」と思っていたんです。
ところが、ラスト数分で、その感想をすべてひっくり返されました!
なに、この後味の悪さ!
新解釈!
いや、確かに、金田一耕助が思ったような疑惑、昭和版の映画を見たときも原作を読んだときも思ったんですよ。佐清と珠世さん、あんたたち、もしかして……と。
でも、「そんなことを思うのは、私の性格がヤバいせい」だと。
そんな私にも向けられたような、佐清の最後のセリフ。
「あなた、ビョーキですよ」
いやはや。
金田一耕助(そして私)、完全敗北ですww
金田一シリーズは、どんな凄惨な事件が起きても、ラストはどういうわけか爽やかで、ハッピーエンド気味なんですが(実際横溝正史の作品は、最終章は「大団円」というタイトルが多い記憶)、あんなに人が死んでいるのに、ハッピーエンドはないですよね、冷静に考えれば。
そんなツッコミにも回答を与えた、ラストの一撃でした。
一方、青沼静馬の悲劇と哀しみが浮き立っていました。
映画版では、財産を狙う悪役だったんですけどね。
今回は、母親の愛情を欲しがるだけのキャラでした。
「お……かあ……さん」のところ、
私、泣いちゃいましたもん。
しかも、母と慕ったマツコ夫人には「化け物」呼ばわりされて。
みごとに善と悪がひっくり返りました。
シン・犬神家の一族。
素晴らしかったです。