ホットフラッシュというのがあります。
更年期障害の一つで、突然、かぁと身体中が熱くなり(のぼせ)、汗が大量に流れ(冬でも)、目眩がし、精神が大混乱し、最悪パニック状態に陥ります。
これは、女性ホルモンの減少により自律神経が乱れるのが原因……と言われていますが。
私も、数年ホットフラッシュに悩まされています。
で、ここ数日、血糖値に関する本を読み漁り、「あれ?」と思い当たりました。
機能性低血糖の症状とよく似ているのです。
この状態になると、頭がボォ〜となり、汗が止まらず、思考がまとまらず、混乱をきたし、イライラが止まらず、衝動的に暴れたり、あるいは鬱状態になったりするようです。パッと見、精神がおかしくなったように見えるので、精神疾患と間違われることも多いとか。
機能性低血糖は、糖質を過剰に摂取することで起きます。
そのシステムを簡単に説明すると。
糖質を一度に過剰に摂取すると血糖値が急上昇→上がりすぎた血糖値を下げるためにインスリンがハッスル状態で出動→インスリン、ハッスルしすぎ→血糖値が正常値に戻ってもハッスル、ハッスル→血糖値が下がる下がる→低血糖
つまり、「機能性低血糖」というのは、インスリンの頑張りが原因なのです。なぜインスリンが我も忘れて頑張りすぎるのかというと、それは糖質を過剰に摂取したせいです。急激に上昇した血糖値に反応して、フル装備で鎮火にあたる訳です。
この、血糖値の急上昇・急低下は短時間のうちに起こり、低血糖になると、激しい発汗、ほてり、イライラ、混乱、めまい、衝動的行動が現れます。
実は、若い頃の一時期、私は機能性低血糖でした。母もそうで、お腹が空くと途端に機嫌が悪くなり、般若の表情で、汗をダラダラ流しながら、「ご飯、ご飯」とお釜からご飯を食べる始末。
私も、社会人になる頃に現れました。突然、訳のわからない飢餓状態に陥り、不安感が押し寄せ、汗まみれになり、めまいでふらふらとなり、無我夢中で仕事中でも菓子パンを頬張っていました。
この症状が、ここ数年のホットフラッシュと似ているのです。
で、思いました。「機能性低血糖とホットフラッシュの原因は、ひとつじゃないか」と。
血糖値の乱高下は、まちがいなく、精神を不安定にします。これは、タバコやアルコール依存症の禁断症状に似ています。血糖値が急激に上がったことで急激に下がり、身体が狂ったように糖質を欲しがるのです。
ホットフラッシュも(私の場合)何か甘いものを食べると収まります。
そして、思い当たりました。「あ、私、ホットフラッシュになるときって、その前に糖質をたくさん取っている」と。つまり、糖質を過剰に摂取したことにより、血糖値の乱高下が現れたのです。
ところで、女性の場合、血糖値の乱高下は女性ホルモンが抑えていてくれているようです(なので、男性より甘いものを食べても女性は糖尿病になりにくいようです)。が、その頼りの女性ホルモンがほとんどなくなる更年期以降は、男性同様に糖尿病リスクが高くなります。
なのに、長年の習慣はなかなかなおりません。更年期以降も「甘いもの(糖質)」を過剰に摂取し、それで血糖値が乱高下、ホットフラッシュになるんじゃないかと、私は考えました。
ここではっきりいってしまいますが、糖質には中毒性があります。タバコやアルコール、麻薬と同じように。もっと言えば、麻薬と同様と言ってもいいかもしれません。
が、私はそれをなかなか認めたくなかった。認めれば、今まで信じていたものがすべて崩壊してしまうからです。私は無類のお米好き。それを否定するなんて……。お米をたくさん食べろと言われて育ってきたのに。私の人生そのものを否定するようで。……ここまでくると、ちょっとした洗脳ですね。
ところで、前に、ツイッターか何かで、「昔の日本人は、今の三倍はお米を食べていたのに太ってないし、糖尿病も今ほど多くなかった。だから、犯人はお米ではない」とお米擁護の発言をしました(無論、お米だけではなくて、パンも麺類も芋も「犯人」なわけですが)
が、よくよく考えると、昔の日本人は今よりはるかに重労働の中で生活してますので、そもそもの、消費カロリーがまったく違うのです。そして、昔のお米は、今ほど精白されていなかった。私も記憶がありますが、ちょっとヌカくさかったのです。だから、無類のお米好き……と言いながら、実は、白米が苦手だった時期があります。
白米が大好ききになったのは、精米の精度が上がり、甘みが増え、文字通り「おいしく」なったからです。明らかに、今の白米は昔の日本人が食べていたものとは違います。昔の人は、白米と言いながら、玄米に近いものを食べていたのではないでしょうか。ちなみに、玄米の状態で食べると血糖値は緩やかに上昇し、緩やかに下がりますので、問題の乱高下は起こりません。
麻薬もそうですが、精製すればするほど純度が増し、その中に含まれる毒も吸収しやすくなります。お米もまた、昔のようにヌカくさいままならばある程度過剰に摂取しても血糖値はそんなに急上昇していなかったんじゃないかと想像。
長くなりました。
人類は、糖質という悪魔に魂を売ることで、知能と文明を手に入れた……ことについても触れようと思ったのですが、それはまた後日。