「フランシーヌの場合」という歌を思い出したのは、私だけでしょうか。
フランス人の「フランシーヌ」は、政治、社会のあり方にノーを突きつける手段として、「焼身自殺」を選びました。それが、世界中の若者にある種の恍惚と衝撃を与え、日本では歌にまでなりました。
72歳といえば、学生運動真っ盛りのときに、青春時代を送っていることになります。
今回のこの爆死事件も、その時代の「空気」を引きずった、まさに団塊世代の暴走……という気がしなくもありません。
ただ、容疑者本人のブログとか裁判の記録とか読んでみると、「団塊世代の暴走」と単純に片付けられない。
長年に渡る「家族内戦争」と、そして三女の異常。そんな修羅場につけ込むかのように現れる、怪しい宗教。
……宗教。この辺が、80年代から今に続く「オカルト時代(精神時代)」を反映しています。
団塊世代の奥深くに染み込む「学生運動」の空気と、オカルト時代の要素が結びつくと、ここまで凄まじい事件になるのか。
それにしても、72歳の容疑者と、妻の証言があまりに違いすぎて。
一体、どちらがマインドコントロールされ、狂気の世界にいたのか。
……どちらともなのか。