私は割と、お世辞や社交辞令を真に受けてしまうことがあって、例えば、「近いうちに会おうよ」とか言われたら、「じゃ、いつにしましょうか?」などと具体的に予定を立ててしまわないと落ち着かないところがあります。
とはいえ、私はそれほど積極的な人間ではありません。予定を立てたりするのは億劫で、人と会うのも苦手だったりするんですが、「会いましょうよ」と言われたら、やはり、断ることができないのです。だから、「いつにします?」となるのです。
本当に無理なときは、「当分は会えません、すみません」とお断りしますが、相手に「会いましょう」と言われたら、なるべく断らないようにしています。
ですが、「近いうちに会いましょうよ」というのが、「さようなら」と同等の挨拶だということを知ったのは、結構大人になってから。というか、ここ最近です。
仕事のメールをやり取りしていると、「じゃ、打ち上げしましょう」「この件についてはまた、連絡します」という文言で締めくくられることが多いのですが、それを真に受けて、「打ち上げ、いつだろう?」とか「連絡、いつ来るのかしら」などと、マダム・バタフライのごとく、待つこと多々。
いうまでもなく、連絡がそこで途切れるのが常です。
それが、大人の社交辞令。とは分かっていても。なんかモヤモヤするんですよ。そんな、人を待たせるような辞令が許されるのかと。
で、最近では、おばちゃんになったことをいいことに、図々しく「本当に打ち上げするんですか?」「本当に会うですか?」「連絡くれるとおっしゃったのにありません。あの件はどうなったんですか?」と積極的に訊くようにしています。
これぞ、年の功。
モヤモヤしてルサンチマンを育ててしまうより、よほど、精神衛生上も人間関係上も、良好な結果をもたらします。
日本は、「グレー」とか「先送り」とか「玉虫色」とか「曖昧」な状況が生まれやすい土壌ですが、そんなのに付き合ってられません。
人生の折り返しを地点をとっくに過ぎた、おばちゃんなのですから。
残りの人生、そう長くはありません。
マダム・バタフライになっている時間などないのです。
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あたくしは「グレー」だけど、それは毛色だけよ。
性格は、「白」か「黒」か。曖昧なことは許さないわ。
ご飯の時間、ちゃんと守ってね!