問題の紅麹で、死亡者が出ていました。
色々と調べたとこによると、紅麹にはシトリニンという毒が含まれることがあるそうです。シトリニンは腎臓を破壊する危険があるため、紅麹じたいを使用禁止する国もあるそうです。
では、なぜ、東アジアで長い間紅麹が使用されてきたのか。
毒を凌駕する効能があったからなのでしょう。実際に、コレステロールを減らし、血圧を下げる効果があります。
薬とされているものには、毒の側面があります。
たとえば、風邪に効く葛根湯もむやみに大量に飲めば、毒になりかえって体調を崩します。
西洋の薬、東洋の薬、すべてにおいて、毒の側面があることを忘れてはなりません。食べ物だってそうです。
私は定期的に「にがり」を飲んで不足しがちなマグネシウムを補っているのですが、にがりもとりすぎると、高マグネシウム血症となり、死亡することもあります。
塩分もそうです。タンパク質もそうです。炭水化物(糖質)も脂質も。水分だって。
すべて体に必要なものですが、とりすぎると、病気につながります。
紅麹も、毒の側面があることを昔の人は知っていたのかもしれません。
だから、少量使用して、たとえば着色料として使用してきた。
小林製薬は、その紅麹から毒(シトリニン)を取り除くことに成功し、紅麹をまるごとサプリメントにしました。
直接の毒となるシトリニンを取り除いたとして、はたして、紅麹をまるごと大量に取り続けることは適切だったのか。
もしかしたら、紅麹のとりすぎによる事故だったのではないか。
紅麹に限らず、サプリメントにはそういう危険がはらんでいます。
特定の栄養素を純度の高い状態で提供するサプリメントは、ときに肝臓や腎臓を破壊する。これはよく言われていることです。
人間に限らず、生物は、絶妙なバランスでなりたっています。
バランスを崩したときに、病気となります。
サプリメントは、バランスを崩す原因にもなる。
サプリメントは、薬(毒)なのだという意識を持たなければならないと、今回のことで改めて思いました。
なにごとも、過ぎたるは猶及ばざるが如し。
追記。
小林製薬が発売していた紅麹サプリ。
これを飲んでいた人たちは、健康診断とかで悪玉コレステロールが高いだの血圧が高いだの言われたんでしょうね……。
健康診断の数値。こんなものに振り回されて、かえって命を削る……というケースは、他にも色々とあるような気がします。正常値に近づけようとして絶命してしまったら、これこそ本末転倒。「健康のためなら死んでもいい」なんて、洒落にもなりません。
そもそも、その正常値(基準値)って、本当なんですか? 体質や民族によって違いはあるもんじゃないですか?
なんか、「正常値」教という宗教みたいで、怖いのです。
「正常値でないと、あなたは死ぬ。地獄に落ちる。だから、これ(サプリメント)を飲みなさい……」
私も割と気にするほうなので、この商法にころっとやられてしまう。
だから、私は、健康診断はしない派です。
知らぬが仏、ってやつです。