「ひまわり」というイタリア映画をご存知でしょうか?
母が大好きな映画でした。
ものすごく乱暴に要約すると、第二次世界大戦で引き裂かれた夫婦の物語です。
イタリアとソ連が舞台。
なんとも切なくやるせなく残酷な内容なんですが、でも、広大なひまわり畑のシーンが圧倒的で、あの美しいテーマソングとあいまって、思い出すだけでも泣けてきます。
そのひまわり畑。
実はウクライナです。
当時はソ連でしたので、「ソ連のひまわり畑」という括りでしたが、まぎれもなく、ウクライナです。
(夫の再婚相手の、あの美しい若妻も、たぶんウクラナイ人です。ウクラナイ人は美人で有名)
ウクライナは豊穣な土地で有名で、そのせいか、隣国に何度も狙われて、そして侵略されてきました。
ナチスに翻弄され、ソ連に組み込まれてしまったのもそういう流れなんだと思います。
小麦を作っても作ってもソ連共産党に搾取され、ウクライナ人たちの多くは飢え死に(ホロドモール)。
戦後は、チェルノブイリに原発を作られて、あの悲劇(チェルノブイリ原子力発電所事故)。
こんな喩えをしたら怒られるかもしれませんが、DV夫と虐げられる妻……という関係性に見えてしかたありません。
妻はようやく逃げて離婚が成立、自立していたというのに、元夫がストーキング。恐れた妻は隣人に助けを求めて自衛しようとするも、「そんなの許さん! お前はオレの女だ!」と、元夫が包丁を持って自宅に押しかけてきた。
もうね。
元夫も、未練を断ち切りましょうよ。
まあ、そう簡単にいかないのが、男と女の痴情のもつれなのですが。
そして、国と国の痴情のもつれも簡単にはいかない。
……どうしたらいいんでしょうかね。
一番いいのは、元夫を、その身内が嗜めることなんだと思います。
解決の鍵は、ロシア国民が握っているように思います。
ちなみに。
「ひまわり」という映画では、元夫婦のふたりはきっぱり決別。
それぞれの道を歩みはじめます。