「鎌倉殿の13人」。いよいよ大詰めの、大階段の悲劇。
先週、SNSを賑わせた「太郎のわがまま」。
胸騒ぎを覚えた泰時(太郎)が、どうにか鎌倉殿(実朝)を守ろうと「太郎のわがまま、どうかお聞き届け下さい」というキラーワードをぶっ放して、護身用の短刀を渡すというシーン。その短刀がどうなったのかは先週の放送では描かれてなかったのですが、本日、その伏線が回収されました。
……そう、鎌倉殿は(愛する)太郎のわがままを、ちゃんときいてあげたんですね……。
だからこそ、あまりにも切ない。切なすぎる!
※史実では、公暁はその場で実朝の首を切断し、それを階段の上からみんなに見せびらかし、そのまま首を持って逃走、ご飯を食べるときも手放さなかった……という、超サイコパスな行動に出ているのですが、さすがにそれはありませんでした。実朝の首は無事。そのかわりに、公卿は例の「髑髏」を盗んで逃亡、ご飯を食べる時も一緒。三谷幸喜さん、さすがすぎます! 史実をちゃんと踏まえながら、美しく改変なさっている。しかし、あの髑髏。こうなると、呪物に他なりません。手に入れたものは全員、非業の死を遂げる。髑髏の正体が気になるな……
本日は、鎌倉殿だけではなく、公暁も悲劇的な裏切りに遭い悲劇的な最期を迎えます……。
息子と孫をいっぺんに失った政子は自死を試みるほど悲観に暮れますが、この挫折こそが「尼将軍」への覚悟を生むものに違いありません。
しかし、鎌倉政権。
政権というか、まんま、極道の世界ですわ……。
ところで、日本って、「軍事政権」が長く続いたという世界記録を持つそうです。
「え?」と思ったんですが、なるほど、武家の政権を「軍事政権」と呼ぶなら、確かに、長い。
平和ボケしている現在の日本では考えられませんが、日本はその歴史の大半が「軍事政権」だったんですね。
ああ、それにしても。
「鎌倉殿の13人」のキャラクターたち、すっかり悪人揃いになっちゃって。
阿波局(実衣)なんか、すっかり悪女の貫禄。
唯一、キャラ的にブレがないのが、政子だけ。
頼朝への忠誠はそのままなのに、結局、頼朝との間の子供をすべて失い、孫までも。頼朝と政子の血筋は断絶してしまいました。
これほどの悲劇もない。
追記。
それにしても、八幡宮の大階段の暗殺。
なんで、誰も実朝を守ろうとしなかったんだろうね……。
そして、公卿を止めなかったのか。
周りにはあんなに人がいるのに。ただ、ぼぉぉっと見ているだけ。
この7月に起きた、例の暗殺もそうなんだけど。
どんなに人がいても、その人たちにやる気がなければ(油断していれば)、たった一人でも暗殺は可能ってことなんでしょうか? 今も昔も。
追記2。
非業の死を遂げた公卿。
三浦殿が黒幕説は、「草燃える」でもそうでした。
記憶によると、「草燃える」でも、公卿はかなり酷い最期でした。
確か、三浦義村の息子である駒若(京本政樹)とはそういう関係だった記憶が。
お堂で千日修行?しているフリして、お世話係の駒若とむふふな関係に。
(大河では初の同性愛描写に、中学生の私はのたうち回るほど興奮したものです。腐女子覚醒の瞬間です)
で、三浦殿に裏切られた公卿は、「駒若ーー!」と絶叫しながら死んでいくんです。