真梨幸子mariyukiko’s blog

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ポジティブメンタルヘルス

会社員だった頃。

健康診断のときに、メンタルチェックみたいなものがありました。

質問リストに「いいえ」「ときどきある」「しはしばある」で答えていくんですが、これに見事にひっかかり、再検査されるハメに。

どうやら、「死について考えたことがある」に「しばしばある」と答えたのがいけなかった。

で、カウンセラーのような人に呼ばれて、「なぜ死について考えるんですか?」と聞かれて、

「だって、人間は、死ぬために生まれてきたようなものですからね。そう、死は、100%、訪れるものです。それを避けて通ることはできません。なので、死について考えるのは、むしろ、人間として当たり前のことなんです。一度も死について考えたことがない人こそ、なにか問題があると思います」

と回答。

呆れられました。

今だったら、病院送りになっていたかも。

 

さて、そのメンタルチェックは、たぶん、DSM精神疾患診断マニュアル)をアレンジしたものだと思われます。

DSM精神疾患診断マニュアル)、改めてチェックしてみましたが、ワタシ、あてはまりすぎですw

https://www.akashi.co.jp/files/books/4245/4245_adhdinadults_checklist.pdf

 すべて「一度もない」と答える人なんているんでしょうか?

もしいたとしたら、その人、AIかロボットなんでは?

というか、こういうチェックリストを見るたびに、社会って、人間になにを求めているんだろう……と思います。ロボット(家畜)にしたいのかしら。

 

 

カッコーの巣の上で」という傑作映画あります。

人間性を破壊して、従順な生ける屍を大量に作り出す精神科病院が舞台。

ワタシ、この映画を見て、とてつもない恐怖を感じたんです。

そして、思いました。

「病院送りだけは避けたい」と。

さらに、

「とりあえず、大人の前では優等生を演じていよう」と。

小学生の頃です。

当時、ワタシは非常に反抗的で、親子関係も最悪でした。

母に、「あの子は病院に連れて行ったほうがいい」と忠告する人もいたようです。

実際、連れて行かれそうにもなりました。

母には、「キ●ガイ」とも、よく言われました。

そんな頃に見た「カッコーの巣の上で」。

自分という個性と自由を守るためには、ある程度の妥協と馴れ合いも必要なんだと学んだものです。

とりあえず、社会に擬態しなくてはいけない。

そして、優等生を演じるのですが。(ときどき、その化けの皮が剥がれましたが)

そのときの経験が、「殺人鬼フジコの衝動」を書くきっかけともなりました。

無論、ワタシは、フジコのように波乱万丈な人生は歩んでいないし、殺人も犯してませんが、一歩間違えたら、そういう人生を歩んでいたかもしれないなぁと。

でも、フジコのような人生を選んだら「負け」。

「ほらね、ああいうエキセントリックな子はやっぱり犯罪者になるのよ」と思われるだけです。

エキセントリックな子だって、法を犯さず、しっかり税金を払って、まじめに、正しく、つつましく生きることもできる。それを証明したいとも思いました。

……それが、小学生のワタシの目標にもなりました。

 

いずれにしても。

紙切れ数枚のチェックリストで、「人間性」を診断するなんて、なんて傲慢なことなんだろう……と思ったしだいです。

 

あ、ちなみに。

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