最近起きたとある殺人事件で、同人AVが注目されています。
被害者の女性が、同人AVに出演していたというのです。
同人AVとは文字通り、同人でAVを制作するもの。
同人誌のAV版で、商業ではなくて〝個人の趣味〟で制作するものです。
〝個人の趣味〟とはいっても、販売を行っている以上、立派な〝商業〟。中には、商業AVより儲かっている人もいるとかいないとか。
同人AVでは、被写体は監督自身が調達します(女性監督自身が被写体になる場合も)。
その調達手段として利用されるのがSNS。
私、ちょっと驚いてしまったんですね。
コスプレイヤーや地下アイドル、俳優修行中の人が「モデル」となって、素人の個人カメラマンと直に契約していることは知ってはいました。
テレビとかでも何回かその実態を報道していましたし。
かのNHKも、特集していたことがあります。それはかなり好意的な内容で、事務所や組織を通さずに、カメラマンとモデルが直接結びつくことによって成り立っている、新しい表現方法……的な感じで。
でも、それを見て、「えぇぇぇ。それ、かなり危なくない?」とも思いました。
だって、見知らぬ者どうしが、一対一で、密室で。
絶対、事件が起きるよ。つか、もう起きているんじゃない?と。
実態は、私の想像をはるかに超えていました。
ただの「モデル」ではなくて、性行為まで撮って、それを売り捌いている。
というか、そちらのほうが主流になっているという。
言い方は悪いですが、「モデル」さんは昔でいえば、流しの娼婦。夜鷹です。
商品価値もなくなりどの組織からも捨てられて、仕方なく、個人で商売をする。
そう、本来ならば、「個人で稼ぐ方法」は最終地点だったのです。
なのに今は、商品価値がピークの20代の若い子が自ら、夜鷹の世界に飛び込む。
その気楽さと、簡単に稼げる……というところが、若い子には魅力的なのでしょうか?
でも、「簡単に稼げる」のでしょうか?
例の殺人事件の被害者さんは相当な売れっ子で、一年に80件の仕事をこなしたそうです。
月に7件〜8件。一件につき、5万円〜7万円。
仮に、一件6万円として。6×80で、年に480万円。
これ、「儲けて」いますでしょうか?
むしろ、体を張って挑む仕事としては、かなりコスパは悪いような気がします。
これだったら、吉原のソープに行ったほうが、よほど稼げる。
性産業のデフレが問題になっています。
以前なら、裸になる、性を売る……というのは切り札。
ここぞというときに、その体を売って大金を得る……という感じでした。
莫大な借金を背負っても、妻や娘を売ることでしのぐことができたのです。
ですが今では、借金のカタにもならいほど、その価値はだだ下りしています。
一回のプレイで5000円とか、そんな時代になってしまいました。
だからなのでしょうか。
少ない稼ぎを独り占めしたいがために、組織に中抜きされないために、流しの夜鷹になろうという人が増えているのでしょうか?
でも、やっぱり、危険です。
流しの夜鷹は、今風にいえば「個人事業主」ですが、個人事業主はすべて、自分で解決しなくてはなりません。トラブルもすべて。
それこそ、「自己責任」なのです。
おばちゃんの私は思います。
どうしても性産業に足を踏み入れたい人は、どうせなら実績がある組織に所属してください。
最低限のリスクと危険から、組織が守ってくれます。
もちろん、中抜きはされますが、それはリスクヘッジだと思ってください。
間違っても、個人で客をとると言うような夜鷹の世界を、最初から選ばないでください。
夜鷹は、海千山千の娼婦が最終的に落ち着く着地点。
いろんな危険を承知の上で、その対処方法も知り尽くした人がなる、究極のプロの姿です。
そんなプロでも、ひどい目にあいます。
とにかく、自分の心と体を大切にしてください。
お願いしますm(_ _)m
追記。
しかし、皮肉ですね。
女性活躍のジャンダーの時代になったはずなのに、女性の価値はどんどん下がり、雑に扱われるようになっている。
昔のほうが、女性の価値は高く、大切に扱われていたような気がします。