去年あたりからでしょうか。
ユーチューブで、
「60代」「シニア」「年金」「波乱万丈」「未亡人」「一人暮らし」
などというワードが入った動画チャンネルをよく見かけます。
私がみかけただけでも、少なくても20以上はある。
いや、もっとある。なんなら毎日、新しいチャンネルが誕生している。
そのうちのいくつかを見てみました。
どれもみごとな「定型」で、雛形(フォーマット)があるんでは?と思うほど、作りも内容もそっくりなんです。ちょっと挙げてみると、
・顔は出さない
・しゃべりはなくてテロップとBGMのみ
・料理などの家事を延々としている
・質素な生活感
・生活に困窮している様子や過去の波乱万丈をテロップで延々と語る
・サムネイルのフォントと惹句が扇動的
なので、「60代シニア YouTuber」と検索すると
「やらせ」というワードがヒットします。
まぁ……。やらせが大半かな……と。
やせらというか、動画に登場するシニアさんご本人が撮影編集しているのではなく、間違いなく、それをサポートしている第三者がいると思われます。
カット割とか、わりと、玄人ぽいんですよ。
それに、「一人では難しい」カメラアングルも多くあります。
カメラが数台必要なシーンもあります。
(映画をかじったことあるので、そういうのには敏感です)
なにより、サムネイルの惹句とフォントが扇動的で、これは、視聴回数をあげるための「コツ」を熟知している人が関わっているのは確かだと思われます。
素人の「60代シニア」がこれをやるのは、ちょっと不自然。
(シニアコンテンツの動画の登場人物は100%女性。でも、サムネの作りはちょっと男性的。テロップのフォントも、女性が選んだ感じがしない)
とはいえ。
私も来年は還暦。そう60代を迎えますので、60代がそれほど「シニア」ではないことも知っています。昔の感覚でいう「おばあちゃん」ではないのです。
団塊の次の世代で、いわゆる「シラケ世代」とか「新人類」とか言われている人たちで、女性に限れば、「anan」「ノンノ」を愛読していた「アンノン族」でもあります。流行に敏感でおしゃれにも感心が高い。
この世代は、若い頃にパソコンが職場に登場し、パソコンスキルを持っている人も多い。だから、YouTuberになるのはなんら不思議ではない。
でも、やっぱりおかしい。
ここまで似たような動画が乱立するのはなぜかしら?
指南役がいるとしか思えない。
スキームが存在するとしか思えない。
その指南役が、息子や娘などの身内であればいいのですが。
「シニア」コンテンツで一儲けを企むヤカラだったとしたら、心配です。
視聴回数を上げるために、「やらせ」に手を染める可能性が大きいからです。
金銭的なトラブルに巻き込まれる可能性もある。
なにより、自身の生活や過去に「やらせ」をしてしまったら、人間関係が崩壊します。
(だから、顔出しNGなのかもしれませんが)
自身の人生を切り売りする場合、本当に失うものが大きいのです。
相当な覚悟が必要です。
過去の私小説作家を見ても、いろんなものを失っています。
でも、シニアYouTuberさんにはその覚悟が見えません。
もしかしたら、「シニア」さん自身、架空なのかもしれません。
そこらのシニアをスカウトしてきて、日常を撮影して、そして波乱万丈で過激なテロップを当てているだけかもしれません。
いずれにしても。
この「シニア」コンテンツ、目が離せません。
しばらくは、追ってみたいと思います。
もしかしたら、私の作品に登場するかもしれません。
追記。
ちょっと検索してみたら、こんな求人広告がヒットしました。
https://crowdworks.jp/public/jobs/7412669
この手の求人がいくつかヒットしました。
「顔は出さないで料理をしている動画を撮るお仕事」
はいはい、なるほどね。
やっぱり、そういうことでしたかw
「やせら」どころか、まるっと「フィクション(架空)」でした。
みなさんも、騙されないように!
フィクションとして、楽しみましょう。