真梨幸子mariyukiko’s blog

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それでも私が小説家を続けているわけ

台風が通過中です。

それが理由か、今日はめちゃ涼しい。

(それでも25度は超えていますが)

かなり久しぶりに(3ヶ月ぶりぐらい?)、冷房のない昼下がり。

台風一過の明日明後日は、また猛暑がぶり返すようですが、確実に秋に邁進中。

今年を乗り越えれば、私の天冲殺(大殺界、あるいは空亡)もようやく開けます。

今は、油断せずに粛々と。

 

さて、岡田斗司夫さんの切り抜き動画を見て、「うん、なるほど」と思ったので、ちょっと紹介しておきます。

www.youtube.com

 

ライナップは、

0:00 ハイライト

0:16 オンラインサロンで大爆死する人の特徴

10:12 結局最初から色々持っている人が…

17:32 底辺職を見下す人たち

22:48 世界は正規分布ではない という言葉の意味

です。

 

私が特に「そうそう、そうだよね」と共感したのが、10:12から。

YouTubeGoogle傘下に入った時のキャッチコピー「好きなことだけやって生きていく」。

ところが、収益目的の動画が増え、目的が「好きなこと」ではなくて「再生数」「登録数」になっていくと、より目立つコンテンツを作るためにお金をかけてしまった結果、赤字転落の動画チャンネルが大量発生し、苦しくなって動画チャンネルを閉鎖する……という本末転倒な現象が。

先ごろ、国内最大手のYouTuber事務所が大赤字を出し、身売りが決定した……というニュースもありました。

驚きですね。あれほどブイブイ言わせていたのに。いくらなんでも、破綻が早すぎませんか?

10年も経っていないじゃないですか。

そもそも、YouTubeというひとつの媒体にこれほどまでに依存していたのが危うかった。喩えるなら、一本の大樹に大量の虫やら鳥やらが棲みついているようなもの。台風が来たり、山火事が起きたり、はたまたその樹が倒れれば一巻の終わり。

映画やテレビや出版などは、そのはじまりから多くの同業他社が存在し、例えばひとつの出版社が倒産しても、他の出版社にいけばいいだけなのですが(映画やテレビもそうですね)、YouTubeに関しては、YouTubeのみ。しかも、その収益システムは非公開で、同じ再生数を叩き出しても、その収益にはバラツキがある。こんな不透明で不確実な大樹を棲家にするっていうことは、ある意味ギャンブルをしているようなものです。台風や山火事が起きなくても、棲みつく虫や鳥が多くなりすぎて、そのせいで大樹が枯れることもある。倒れても枯れても、他に避難先がない……というのが、YouTubeの現実。

そもそも、YouTubeって、趣味の範囲だったんだよな……。

それこそ、「好きなことをやっていく」。

それが、Google傘下に入って、「好きなことをやって、生きていく」に変わってしまった。つまり、職業になってしまったんです。

実際、大儲けした人も多いでしょう。

でも、それ、本当に「好きなこと」ですか?と。

私がずっと見ている某チャンネル。はじめは、本当に好きなことをやっていましたよ。ところが、ここ最近、おかしなことになってきて。案件と呼ばれるプロモーション(宣伝)企画が多くなり、挙げ句の果てには、美容整形にまで手を出してしまった。美容整形とはまったく無縁なジャンルだったのにw

そこまでしないといけないんだ……と、ある意味、どんなホラーチャンネルより怖かった。

 

ちょっと前までは、ブログで大儲けしていた人たちがいました。

はじめは、それこそご自身の言葉でいきいきと語っていたのに、どんどん企画臭が漂い、最後には詐欺まがいのマルチ地獄に堕ちてしまった……なんていうのは数知れず。

ちなみに、私のこのブログは、一切、収益は絡んでいません。好きなことを書き好きなときにアップする。だからこそ、8年近くも続けることができました。

やはり、お金が絡むと、人間、苦難の道を歩むしかなくなるんです。

お金を稼ぐ……という行為は、ある意味、自分の人生を切り売りすることですからね。極端にいえば、奴隷契約を結んでいるといってもいい。

これは、お金を稼いでいる人ほど、そうなんです。

一見、勝ち組で優雅に見えますが、その実、失うものも多い。自由な時間だったり、自由な考えだったり。

お金を稼ぐために、自己を偽らなくちゃいけない成功組も多いかと思います。

収入を維持するために、不本意なこともしなくてはいけない。

 

誰の言葉だったでしょうか。

今でしょ!」の林先生だったかな。

幸福な人生を歩むためには、やりたいことではなくて、得意なことを仕事にしなさい……とおしゃってました。

なるほどな……と。

やりたいこと(好きなこと)を仕事にすると、その好きなものに幻滅する瞬間が必ずくる。

そうなったら、人生は地獄。

でも、得意なことなら割り切ることができるし、そもそも、仕事も苦にならない……と。

 

で、私はどうか。

私、小説が好きか嫌いかといえば、そんなに好きできないかもです。

なにしろ、小さい時の夢は漫画家とか映画監督とか。

絵が上達しなかったので漫画家の夢は早いうちに諦めました。映画監督の夢は、人と関わるのが苦手だと気づき、やはり諦めました。

つまり、このふたつは、とても好きだけど、苦手分野だったんですね。

下手にその世界に入ったら、間違いなく、破綻していました。

 

でも、私、小さい頃から得意なことがありまして。

それは「妄想」です。

そして、いろんな出来事をパッチワークして、まったく違う物語に作り変えることです。

これには、先生たちも舌を巻いていた。

でも、それが得意だとしても、仕事に結びつくのか?

結びついたんです!

それが、小説だったのです。

小説は基本、一人仕事なので、他者との関わりも気にすることなく、頭の中の溢れる妄想をアウトプットするだけでいい。

だから、投稿時代の挫折にも耐えられたし、売れない時代も続けることができた。

だって、得意なんだもん!

どんなにアマゾンレビューでぼろくそにいわれても、どんなに版元に手のひら返しされても、すぐに立ち直れたのは、得意だから。小説を書くことでストレス解消になるから。

これが、「好き」という情熱だけだったら、とっくの昔にメンタルを病んでいたと思います。

私の場合は、「好き」というモチベーションではなかったので、今日まで続けることができたんだと思います。

 

人には必ず、なにかひとつは、得意分野があるはず。

自分では気が付かないかもしれないけど(得意すぎて、それが当たり前だと思ってしまうので)、それを見出して、それを磨くことで、職業につながると思います。そして収益を生むことができた人こそが、私は「成功組」だと思うのです。金額の多い少ないではなくて。

 

で、冒頭のYouTubeに戻りますが。

ここ数年、男子高校生のなりたい職業の第1位だったYouTuber。

それに変化があったようです。

news.yahoo.co.jp

 

 

なんと、1位は公務員

そして、YouTuberなどの動画投稿者は8位と転落。

(他の媒体が調査するランキングもほぼ同じ。YouTuberがランキングインしていない場合も)

 

さすがは、若者。

世の中のトレンドを嗅ぎ分ける力がすごいです。

そもそも、YouTubeは若者世代の支持で成り立っていました。その若者から距離をとられはじめたってことは、YouTubeもそろそろオワコンなんでしょうか?

(だから、最近、シニア向けの動画が多いのか?)

mariyukiko.hatenablog.com

 

 

いずれにしても。

はじめは「好きな」ことをやっていた人たちが、徐々に、再生数や登録数という「数」の奴隷になっていく姿は残念でたまりません。