ニュースをサーフィンしていたら、こんな記事が。
健康に長生きする人の共通点は何か。医師の和田秀樹さんは「健康診断は異常をみつけて健康人を病人にするビジネスだ。ある調査では、医療被曝によりCT1回につき発がん率が16%ずつ増えるのがわかっている。医者から見たら不真面目な人のほうが長生きできる」という――。
いろいろと賛否両論ある和田秀樹先生ですが、私は概ね、賛成派です。
さて。
シュレーディンガーの猫という有名な言葉があります。
古典物理学においては、「最初の条件さえ決まれば、以後の物質の状態や運動はすべて確定される」と考えられている(決定論)[2]。量子論の場合、物理法則を決定論的にするには隠れた変数の存在が必要である[3]。
私は理数系に関してはまったく無知なので難しいことはわからないのですが、つまり、
ランダムの確率で毒ガス(放射性原子)の出る装置とともに猫を(不透明な)箱の中に閉じ込めたとき、次に箱を開けた時まで、猫が死んだ可能性と生きている可能性は重なり合っている
ということらしいです。
猫の生死はそれぞれ50%。
箱を開けて、実験者がそれを観測するまで結果はわからない……ということです。
観測することで、はじめて結果が決定する。
この理論を提唱したのはシュレーディンガーという人なので、「シュレーディンガーの猫」と呼ばれるようになりました。
後に、原子は観測をすることではじめてどちらかに決定するということがわかってきました。
つまり、実験者が観測する前までは、その状態はどちでもないのです。
噛み砕いていうと。
段ボールの中になにか花が入っているとします。その箱を開けてみるまで、赤い花なのか白い花なのかは未確定。観測者がそれを見たときに、はじめてどちらかが確定する……ということです。
「そんなバカな!」と思われる方は、古典的物理学にとらわれている人です。
原子レベルでいえば、箱を開けてそれを「観測」するまでは、確定されていない。
いうまでもなくて、原子より小さい単位の「量子(電子・中性子・陽子など)」もそうです。
粒子と波の性質を併せ持った量子は、観測してはじめて粒子か波に限定されます。
それが、今、私たちが住む世界なのです。
この考えは、まさに仏教の教えそのものです。
「この世は幻。その人が見ている夢に過ぎない」。
つまり、人それぞれに見ている世界は違っており、そして、その世界は幻。
そんな幻の中で、執着したり苦しんだりするのは馬鹿馬鹿しいよね?と。
そういえば。
四年前に亡くなった母は、臨死体験をしました。
亡くなる前に、一度心肺停止するのですが、そのときに不思議な体験をしたというのです。
その体験のひとつに、
「誰だかはわからないけど、誰かに会った。その人は言ったの。……ひとつ瞬(まばた)きをするごとに世界は変わる。目を閉じているときは〝無〟で、目を開けたときにはじめて世界が生まれる。その繰り返しだ……って」
めちゃ哲学的です。そして量子力学的でもあります。母はそんな難しいことを考えるような人ではなくて、生きているときもそんなことは一度も言ったことがありません。
つまり、本当に、その誰かにそういうことを言われたのだろうと。
で、冒頭の和田秀樹さんの記事です。
和田秀樹さんは健康診断反対派。
その理由を著作で色々と述べているのですが、シュレーディンガーの猫的に考えれば、健康診断をすることで、病いが「確定」されるのかもしれない。
健康診断というのはすなわち「観測」です。
それまで、病気なのかそうでないのかは半々。でも、健康診断(観測)することで、病が確定しちゃう例もあるのでは?
そう考えると、健康のためには、
「知らぬが仏」
なのかもしれません。
あ、ここにも仏教の教えが。
ブッダさんて、実は物理学者だったんじゃないかな……。
改めて、凄い。
\ シュレーディンガーさん。犬ではなくて、なんで猫だったんです? /