ジャニーズ事務所の記者会見の「NGリスト」が大変話題です。
この騒動を見て、私はかつての「株式総会」を思い出しました。
大企業の総務部の一番の仕事は、「株式総会」のしきり。
というのも、当時は、「総会屋」というのが存在したからです。
総会に出られるギリギリの株を保有して総会に参加、会を妨害したり混乱させるのが目的の、恐喝屋です。
総会の運営をスムーズに運ぶために、総務は総会屋対応に追われました。「総会屋リスト」というのもあったかもしれません。
さて。
9月に行われた最初のジャニーズ事務所の記者会見は大混乱しましたね。
まさに総会屋のような某記者の独壇場。
長々と時間を独り占めにしていました。
その経験から、「指名NGリスト」なるものを作成したくなる気持ちはわかります。(本当にあるとしたならば)
進行する側としたら、混乱を避けたいからです。
または、一回目の記者会見のときにすでに質問した記者は外す……ためにリストは作成したかもしれません。
というのも、いろんな記者会見を見ていると、必ず、一部の記者が真っ先に指名されて長々と演説をはじめる傾向にある。
木原事件の元刑事さんの記者会見のときもそうでした。
長々としている割には、まったく的を射てない。
「そんなくだらない質問するなら、他の人に質問させてよ」と、イライラしたものです。
でも、この記者は必ず、指名される。
むしろ、指名されすぎなのです。
あんなに多くの記者やレポーターがいる中、必ず指名されるのはなぜなのか?と疑問に思っていました。指名されない人のほうが多いのに。
きっと、「あの人を指名しておかない、大騒ぎして面倒なことになる」という認識が広く共有されているからではないでしょうか。だから、とりあえず、指名しておく。騒がれるのがいやだから。
これ、まさに、「総会屋」の手口なんです。
今回の記者会見も「私が指名されなかったのはおかしい!」と、大騒ぎでした。
いやいやいや。毎回指名されるほうがおかしいだろうって。それこそ、記者会見の公平が崩壊しているだろうって。
さて。
今回の騒動の一番の問題は、記者会見をしきったコンサルタント会社からNGリストのリークがあった件です。
リークは会見前。
これが、一番の問題なんですね、企業のセキュリティとして。
どんな会にも、ある程度のシナリオはあるものです。それは、犯罪ではありません。
むしろ、常識です。式次第がない会なんて、カオスそのものです。
それを事前にリークするというのは、どう考えても「愉快犯」の仕業です。
明らかな犯罪ならば内部リークもありでしょうが、これはちょっと違うな。
コンサルタント会社の中に、この騒動を楽しんでいるものがいる。
正義感に駆られて……という類いのもではないと思われます。
問題は、そういう人が紛れ込んでいるコンサルタント会社を選んでしまったジャニーズ事務所の詰めの甘さ。
こんなに甘くては、これから先の茨の道をちゃんと歩いていけるのか、とても心配になります。
しかし、今回の一連の騒動で、社会の手のひら返しの残酷さを目の当たりにしてしまいました。
恐ろしいです。
各メディアも各マスコミも各スポンサーも、あんなにジャニーズにベッタリだったのに。ジャニーズに儲けさせてもらっていたのに。
今は、しれっと手のひらを返して、正義の味方を気取っています。
自分のことは棚に上げて。
良い子の皆さん。この状況をよーく目に焼き付けてくださいね。
これが、社会ですよ。
悲しくも、残酷な社会の姿です。