私の著書に「あの女」(単行本時「四〇一二号室」)という作品があるのですが、この作品の真実のテーマは「梅毒」です。
執筆当時、梅毒は忘れられた性病として話題にもなっていなかったのですが、私はずっと気にしていたのです。
私がどれほど気にしていたかっていうと。
ご覧の通り、このブログでも度々言及しています。
で、今。
梅毒が大復活してしまいました。
しかも、世界的に。
特に深刻化しているのが、先天性梅毒。
母親が妊娠中に梅毒に感染していた場合、お腹の胎児にも梅毒が感染し、重篤な症状を引き起こすというものです
日本では(他の国はちょっとわかりません)、妊娠したら確か梅毒の検査があるように記憶しているのですが、日本でも先天性梅毒の赤ちゃんが激増というニュースがありましたので、もしかしたら検査にひっかからないケースもあるのかしら。
梅毒は治療法が完成していて、薬(ペニシリン)で治すことができます。先天性梅毒の赤ちゃんも適切に治療すれば、治すことができる。(梅毒にかかったことがあるという印はその血液にずっと残りますが)
ところが、今、その治療薬が絶望的に不足しているのだそうです。
そもそもの準備不足もあるのですが、いきなりやってきた世界的大感染で、危機状態なんだとか。
これって、一種のパンデミック状態なのでは?
ここにきて大復活した梅毒。
例の新型コロナと無関係ではないでしょう。
ありとあらゆるエンタメや娯楽が禁止されて、「性交」という原始的な娯楽に走ったのが理由のひとつではないでしょうか。
娯楽としての「性交」には、特定のパートナーではなくて、行きずりの相手を選ぶものです。
何度もいいますが、梅毒を含む性病は歴史的に何度も国を滅ぼしてきました。
「亡国病」とも呼ばれている恐ろしい病です。
だから、宗教は「娯楽としての」性交を禁じるものが多いのです。
特定のパートナーができるまで、純潔を守るようにも教えているのです。
それは、ある意味、ヒトという種を絶やさないための知恵でもありました。
でも、今はなんでもありの時代。
梅毒にしてみれば、これほど都合のいい時代はありません。
しかし、梅毒を含め、感染症の戦略はすごい。
性欲という、たぶん人間(特に男性)の欲望の中で一番強烈な部分をついて、我が分身をふやそうとする戦略。
これに、人間は打ち勝つことができるんでしょうか?
\ 感染症の恐ろしさを知りたいヒトは、「孤虫性」と「あの女」が、お勧めよ! /